旅立ち
音楽家、グスタフ・マーラーの4回目です。
音楽の都ウィーンと称されるように、オーストリア=ハンガリー帝国は元々音楽が盛んでしたから、有名・無名も含め、星の数程、オペラ劇場と多くのオーケストラをかかえていました。
国家形態が安定感を増す中で音楽芸術は更なる熟成を遂げ続けていましたが、そうした隆盛の只中に15歳となったマーラーは本格的な音楽の学びへとウィーンに出発しました。
ウィーンでは後にシューベルトやシューマンの後継者としてドイツ・ロマン派歌曲の大家となるフーゴー・ボルフらとの貧しくも楽しい共同生活を送りながらウィーン大学での聴講と音楽院での学びの時を過ごしました。
マーラーにはピアニスト、指揮者としての卓越した腕前はありましたが、本当にやりたかったことは作曲でした。