私たちの体は約60兆個の細胞で構成されています。その細胞の一つ、一つにミトコンドリアが2000～1万個近く存在します。読者の皆様は、体の中の余りに膨大な数のミトコンドリアの存在に驚かれる事と思います。

このミトコンドリアの数と哺乳動物の成立には重大で深い関係があることを「ミトコンドリアとは何か」という問いに対する答えとともに少しだけ説明してみたいと思います。

先程述べたように、私たちが体内に抱える膨大な数のミトコンドリアは私たちが哺乳動物であるが故に必要とされるものなのです。というのも、単純にいえばミトコンドリアとは何かといえば、血液が運んでくる酸素と栄養素からエネルギー物質を作ってくれる大切な働き手なのです。

いわば酸素を使ってのエネルギー代謝（エネルギー物質をつくるプロセス）の主役であるミトコンドリアはエネルギー物質以外に、次のようなものを作ります。

・体温(エネルギー代謝のプロセスの中で発熱します)

・分泌物（ホルモン、成長因子、汗、尿etc.）

・電子の流れ（電子伝達系と呼ばれます）