前回は蝶形骨の位置的重要性と、縫合部の性質について説明しました。今回は
蝶形骨自体の役割と、そのずれがどのような結果を招くのかについても説明します。
もうしばらく我慢して本論におつきあい下さい。
蝶形骨は下顎を動かす一助となったり、口を開いたり、下顎を片方にずらしたり、顔・口の消化活動で重要な作用である「すりつぶし」運動の筋の働きを導き出します。
このことからも判るように、蝶形骨のずれは、顔の消化器としての機能を弱め、また生命の基本中枢である脳幹の受け皿、後頭骨をゆがめ、ひいては後頭部の支えである仙骨を
ゆがめます。
結果、骨盤と骨盤と関わる関節や周囲組織や下肢の動き、呼吸、胸郭の動き、肩の動き、なにより蝶形骨は各種の負荷の影響を受けやすいと考えられており、縫合部の硬直をまねきやすいとされ、蝶形骨のずれが生ずると顔の構成要素(鼻・目・耳・口など)の位置や
その角度、シワ、表情にその影響がはっきり反影されます。
要するに蝶形骨がゆがめば、生命を司る第一消化器「顔」と外力・自重の受け皿・
「姿勢」が同時にひずみ、体調が悪化する訳です。
「アンチエイジング」にとって、蝶形骨のゆがみは禁物です。
蝶形骨の調整が健康の要と思われる由縁です。