神童  - モーツァルトのお話 1 -

モーツァルトと聞いて多くの人は、まず「神童」という言葉を思い浮かべる読者が多いことと思います。

 

ただし、モーツァルトの生きた時代のヨーロッパは「神童」や「天才」ぞろいで、ちょうど

今日の「アイドル全盛時代」のような活況で「神童」や「天才」たちの生き残りは想像を

絶するほどだったことは、最初に知っておく必要があります。

 

さて、モーツァルトは1756年ザルツブルクに生まれました。

今日では、オーストリアの一都市であるザルツブルクも当時は神聖ローマ帝国領にあって、大司教領という位置づけでした。

 

父親のレオポルト・モーツァルトは、その大司教のお抱えの宮廷作曲家・ヴァイオリニストにして副楽長で、ウォルフガング・モーツァルトは、その第7子として誕生しました。

当時は幼児期の死亡率が高く、モーツァルト家でも、無事、成長したのは、5人の兄弟が幼くして亡くなったために、5歳上の姉のナンネルとウォルフガングの2人だけでした。

 

父レオポルトは2人の子供たちに音楽の英才教育を施しました。

その結果、姉のナンネルも「クラヴィーアの天才少女」ともてはやされましたが、弟のウォルフガングの前では、いわば引き立て役でしかありませんでした。

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