楽旅 -モーツァルトのお話 2 -

なにしろ、ウォルフガングは、3歳からクラヴィーアを弾き始めるや、5歳で作曲を開始、

最初の一曲をものする程でした。

 

6歳ともなると、姉と父と3人で3年半もの間、ヨーロッパ中の御前演奏のための旅に出発します。

 

1762年のミュンヘンを皮切りに、ウィーンの宮廷では、マリア・テレジア女帝からことのほかの寵愛を受け、パリのヴェルサイユ宮殿の晩さん会で国王のテーブルに同席する栄誉に預かり、ロンドンのバッキンガム宮殿では、国王ジョージⅢ世と王妃からお褒めと絶賛を

頂いたのでした。

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この旅を通じて、ウォルフガングの抜きん出た音楽の資質を確信した父・レオポルトは

1769年モーツァルトが13歳となった12月に父・子の2人でのイタリアへの楽旅を開始します。

 

旅の目的はヨーロッパ中で既に認められた神童の名声を確固たるものにすることと、才能の更なる飛躍を目指してのものでした。

 

そして、もう一つの隠された旅の目的、それは、ウォルフガング・モーツァルトにふさわしい職を得ること、つまり、就活でした。