クラシック音楽界の帝王 -ヘルベルト・フォン・カラヤンのお話 その1-

 

ヘルベルト・フォン・カラヤン・・・。

私たちより上の世代で、彼の名を知らない日本人は

いないのではないでしょうか。日本人にとってマリア・カラスと並んで最も有名なクラシック界の巨人です。世界的には彼の名は20世紀のクラシック界で最も高名な指揮者という位置づけであり、彼は長い間「クラシック音楽界の帝王」と呼ばれていました。

個人的なことであり、またあいまいな記憶で恐縮ですが、私の彼との初めての出会いは、私が中学3年生の時に自宅のすぐそばの公民館でヘルベルト・フォン・カラヤンと彼の率いるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の奏でるベートーベンのシンフォニーの記録映像を鑑賞したときでした。

映像は、カラヤンの思慮深く、集中した横顔の向こうにオーケストラのメンバー達の表情や演奏の様子がオーバーラップしながらはじまり、まるで大波がすべてを飲み込むように終わる、まさに息をもつかせぬ、芸術性の高いものでした。

子どもながらに、クラシック音楽の素晴らしさに感動し、心ふるわされたことをつい昨日のことのように覚えています。

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