ウィーン・フィルとの出会い  -ヘルベルト・フォン・カラヤンのお話 その5-

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ザルツブルグ音楽祭おけるカラヤンの最初の仕事はオペラ『ファウスト』(グノー作)におけるバレエ・シーンの音楽監督でした。

後年カラヤンは『白鳥の湖』(チャイコフスキー作)などバレエ音楽にも後世の指揮者の手本となるような完成された美しい演奏を残しています。

1934年にはウィルム市立劇場との契約満了を受け、アーヘン市立劇場の指揮者として1年間の試験採用となりました。

そして1934年の8月、ザルツブルグ音楽祭に参加したカラヤンはウィーン・フィル管弦楽団をはじめて指揮することになります。

1929年の初指揮以来、わずか5年にして世界最高のオーケストラの一つであるウィーン・フィルを指揮するという快挙を実現したことになります。

カラヤンがクラッシク音楽界の多くの人々から、いよいよ注目を浴びるようになるのも、この頃からです。

5年という短期間ながら、既に時は熟していたのです。